広いにもほどがあるオープンワールドゲーム

OSをWindows XPに戻したので、以前にやっていたPCゲームを少しずつ再インストールしている。不具合が出たら嫌だなーと思いながら探り探りやっとるんだが、考えてみれば全部もともとXP用のゲームであって、7以降でプレイする方が無理があるのだ。今は「バーンアウト・パラダイス」「Flatout Ultimate Carnage」「Fuel」を入れて、かわるがわる遊んでいる。結局、2010年頃に出た変な洋物のレースゲームってことだな。

「バーンアウト・パラダイス」をプレイしたゆとりが「マップが狭い」とブログでほざいていたが、実のところ当時としては破格の広さと言っていいゲームだったのである。「スカイリム」と同じくらいの面積じゃないかな。もっとも、RPGは徒歩で移動するが、レースゲームではスーパーカーで時速200キロくらい出してぶっとばすので、その意味では確かに狭いのかも知れない。以前はオープンワールドというだけでびっくりしていたのが、この時期になるといかにゆったり・のんびりドライブできるかという話になってきて、ゲームの超大作化がはなはだしかった。オアフ島をまるごとゲーム世界にしてしまった「テストドライブ・アンリミテッド」は、その頂点という感じの一作だったのである。

 

そんなときに颯爽と(ウソです)登場してレースゲーム好きの度肝を抜いたのが、「Fuel」というゲームだった。これを頭からクソゲーと決めつける向きが多々あるが、僕は今もって「Fuel」のファンである。良くも悪くもこれぞ洋ゲーという感じの、なにもかも桁違いのスケールを持ったゲームであり、いわば「鳴らない大鐘」といったところか(ダメじゃん)。マップの広さは「テストドライブ・アンリミテッド」のざっと十倍、岩手県と同じ大きさだそうで、世界最大のマップを持つ家庭用ゲームとしてギネスブックから認定を受けたということだ。

一応、よくわからんレースが用意されていて、一位になれば車やコスチュームがアンロックされ、行ける区域が広がっていくという最低限のゲーム性はある。だがしかし、「Fuel」の存在意義はあくまで、無意味に広い大地を何も考えずに走りつづけるという、ほとんど虚無に近い無限のドライブにある。そこにはストーリーもなければ刺激もないので、そういうものを求めるゲーマーにとって「Fuel」は最低のクソゲーだろう。逆に、そういう意味のなさが面白いと感じる者にとっては最高のドライブゲームなのである。

あえて言うなら、「マッドマックス」の世界を一人で自由に走りまわるという趣きだろう。正直なところ、現在に至っても「Fuel」の代わりになるゲームは皆無なわけで、世界中に存在する一部の隠れファンは、今日も黙々とあてのないドライブを続けているのだ。

 

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少年少女講談社文庫が分かるやつはいい齢である

通販ショップの駿河屋から荷が届いた。1500円以上買うと送料が無料になるので、つい大量に買ってしまってやたら大きい箱が送られてくる。駿河屋というから「羊羹買ったの?羊羹!」と母に言われるのだが、そんなでっかい羊羹があるわけないだろう。

歴史関係の本をいろいろ買ったついでに、少年少女講談社文庫の「宝島」が100円だったので確保しておいた。古本の値段はあってないようなものだが、いくらなんでも100円は破格である。実際、現物を見ると別の古本屋の2100円というシールがついていた。オークションだと平均で1000円くらいだろう。

 

少年少女講談社文庫(ふくろうの本)でピンとくるやつは、僕と同世代のおじさん・おばさんに決まっている。これは昭和47年(1972年)に創刊された児童書のシリーズで、当時の子供向け図書の中では豪華本という感じだった。小学校の図書室や学級文庫の定番中の定番である。高学年になって、さあ揃えるぞ!と思ったら本屋から消えてしまったので、77年か78年あたりには絶版になってしまったのだろう。

僕は児童書はあまり読んでなかったのだが、このシリーズにだけは今でも心がときめいてしまう。それはラインナップのよさのせいもあるのだが、ひとつには装丁やさし絵が妙におどろおどろしく、キワモノ的・扇情的であるからだろう。名作文学や偉人の伝記があると思えば、非常にうさんくさい怪奇ものもまた、このシリーズの大きな売りであった。良くも悪くも、講談社おとくいの巻頭グラビアの世界という感じか。当時、おばけ・幽霊もののさし絵の物凄さがトラウマになった子供は数知れない。

 

さて、少年少女講談社文庫で手元にあるのは、「怪人二十面相」「怪談ほか」「少年姿三四郎」「八犬伝」「おばけを探検する」、そして今回買った「宝島」で六冊目。ネット上でしばしば話題になる「怪談ほか」は、小泉八雲の諸作の他、「開いた窓」「さるの手」など恐怖短編を収録した伝説の名編である。これは一時期、講談社青い鳥文庫に収録されていたが、現在は絶版になっていてオークションでは1万円以上の値段がついている(無茶ですな)。

この辺の恐怖ものは学級文庫で引っぱりだこであって、「おばけを探検する」も、そのおどろおどろしさが大好きで、学級文庫では飽き足らずに自分で購入してしまったのである。今回、数十年ぶりに読み返したら、冒頭で昔住んでいた地名が二ヶ所連続で登場したのにはびっくりしてしまった。やはり僕は呪われているようだ(笑)。

 

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あるいはSF文庫でいっぱいの部屋

過去記事にも書いたように、幼稚園の頃からSFファンで滅多やたらに早川や創元の文庫を買いまくっていたら、部屋は数千冊の書物でパンク状態。

かねてよりどうしようかなーと思っていたところ、今世紀に入ってからのSFの流れといいますか、海外SFの動向なんかを見るにつけ、ちょっと嫌気がさしてきたのだな。SF界がどうこうというより、自分の感覚と合わなくなってきて、新作を読んでも少しも面白くない。結局、自分は昭和のSFファンであることを痛感した次第で、これを機にSF関係の文庫本は順番に自炊したのち廃棄することにした。

てなわけで、去年からスキャナに取り込んでPDF化して、ゴミの日に出すのを繰り返しているんだが、スキャナが安物なので一日一冊ペースがやっと。ようやく300冊くらい処分して、本棚半分くらいはスペースが開いてきた。でも歴史ものとかミステリーは相変わらずどしどし買い込んでいるので、本の総数は変わらないという始末で、われながら困ったものだ。それでも300冊がDVD一枚に収まってしまうのは驚きで、もうちょい高いスキャナを買えば作業効率も上がるだろう。

 

こうして文庫を大量に捨てるにつけ、思い出すのはSF小説を探して奔走した日々のことである。十年くらい身動きできない時期があって、ようやく起き上がれるようになると、吐き気やめまいを抱えながら地下鉄に乗って、神保町や高田馬場へ必死になって足を運んだものだ。

僕は翻訳SFの中でも40年代・50年代の、いわゆる黄金期の名作にいかれていて、サイバーパンクが流行りだした頃にも「なにそれ、おいしいの?」という態度でツッパッていた。要するに古いSF読みってことなんだが。

ちょうどその頃(85、86年頃)、ハインラインの未来史シリーズやジュヴナイル作品といった、長いこと幻の名作と言われていた作品群が早川と創元から一気に刊行されはじめたのである。僕は文字通り寝食を忘れて読みふけり、あまりの面白さに打ちのめされて、数年のあいだ、半ば放心状態という感じだった。やはりストーリー・テリングにおいては、ハインラインが古今随一の存在だと、今でも思っている。

 

学生時代、僕が新刊を買っていた渋谷の本屋も、古本を探してまわった東横線・目蒲線・大井町線沿線の古本屋も、今ではほとんどが消えてなくなっているので、茫然となってしまう。特に一番びっくりするのは、巨大な駅ビルが建ってしまった日吉の変わりようなのだが……。ジャック・フィニィの小説みたいに、ふらっと電車を降りたら三十年前の学生街に戻っていた、なんてことがないものかと思うのだ。

 

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俺的カートゲームの最高傑作を語るのだ

いい齢してレースゲームにのめりこんだ僕であったが、次第にシリアスなレースから離れていき、オープンワールドを自由に走りつつときどきレース、というタイプのゲームしかやらなくなった。タイトルで言えば「チョロQHG2」「ニード・フォー・スピード アンダーグラウンド2」「テストドライブ・アンリミテッド」「バーンアウト・パラダイス」である。

オープンワールドタイプのレースゲームとしては、この四つが僕の中では四天王であって、もうこれだけで十分という感じがする。レース自体もそんなに難しくなくて、反射神経の切れかけたおっさんでもクリア可能なところがいいのだ。

ただ、これらのゲームにもまだ「マジ」なところがあり、もっと究極的にバカバカしいものをやりたくなる。ということで、僕がたどりついたのがカートゲームの世界だった。カートというのはおもちゃの車を使ったレースということなのだが、ゲームの世界における定義としては、アイテムを使って敵を妨害するタイプのレースゲームであって、さらに言うならば「マリオカート」を元祖とする数々の亜流ゲームと断じることができるだろう。

 

誰でも知っているマリオカートだが、いわゆる次世代機にとってのお手本となったのが「マリオカート64」である。これ以降に出た3Dタイプのカートゲームは、全てがその模倣作品と言っても過言ではない。N64でいえば「ミッキーのチャレンジレーシングUSA」なんてのは、キャラを変えただけの完全なパクりゲームで、天下のディズニーが恥も外聞もないなあ、と苦笑させられた。

この種の亜流ゲームで一番成功したのは、プレステの「クラッシュ・バンディクー・レーシング」だろう。前方の敵にミサイルを射てるのが新機軸で、マリオカートのパクりながらマリオカートを超える面白さとして一部で熱狂的なファンを生んだ。このテンポのよさと爽快感は、今でも十分に楽しめるレベル。のちにPS2で「爆走!ニトロカート」という続編が出たが、どういうわけか前作ほどの爽快感は得られなかった。(悪くはないんだが、なぜかもうひとつもっさりしてるんだな)

 

日本未発売のものではPSの「ルーニー・テューンズ・レーシング」がなかなかの傑作である。これまたPS2版はもっさりしていていまいちなのだなあ。だいたい、ルーニー・テューンズ自体、日本では知名度が低くて商売になりにくいようだ。PS2だと「シュレック」のキャラがモンスターに乗ってレースをやるというゲームがあった。厳密にはカートではないのだが、これもカートゲームの変形というところだろう。欧米には子供向けのキャラもののレース(カート)ゲームが非常に多いようだ。

その中で最高傑作と信じて疑わないのが、「チキチキマシン猛レース」のPS2ゲームWacky Races starring Dastardly & Muttleyである。このゲームはビジュアルがとにかく見事であって、本当にアニメの世界に入り込んだかのような錯覚を覚えてしまう。youtubeには外人のアップした動画が数多く出ているので、興味のある人はぜひ一見してほしい。なお、日本で発売されたチキチキマシンのゲームはどれもこれも犯罪的なクソゲーばかりなので、絶対に手を出さないように(笑)。

 

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地歴・公民ではなく社会科と言え!(byおっさん)

毎度おなじみという感じだが、昨年からやっている中央公論社「世界の歴史(旧版)」と「日本の歴史」シリーズ一気読みは、いよいよ13巻に突入した。合わせて26冊目ということで、若者の活字離れに完全に逆行している(誰が若者だ)。

世界史は残りあと3冊で、19世紀末から20世紀初頭に入ってきた。この辺は通史ファンの間ではあまり評判がよろしくないようで、それはなぜかと尋ねたら(ベンベン)、やはり執筆者の先生方がひどい時代を経験してきているだけに、共産主義に対して好意的なところがあるのだね。だから現代の視点からすれば違和感が生じてしまう。もちろん、万人向けの世界史決定版ということで、そのあたりがソフトにまとめられているのは、名編集者・宮脇俊三の手腕なのかも知れない。

そういうところを差し引いても、肩の凝らない世界史講談という感じで一気に読めてしまうのが、このシリーズの偉大さである。第一次大戦あたりになると、高校の授業ではもう終盤であって、卒業が近いなあ、という気分になってしまう。

 

ところで、このごろは社会科ではなくて「地歴」「公民」と言うらしい。おっさんとしてはここで既に違和感ありまくりなんだが、公民ってのは「現代社会」「倫理」「政治・経済」だそうだから、数十年前とやっていることはあまり変わらないようだ(昔は現代社会なんてなかったけど)。われわれの頃は「倫社」「政経」と言っていたな。共通一次試験の時代だから、古い話である。

ときどき、地歴・公民対策で比較的簡単な地理を選べ!と教える向きもあるけれど、こういう変則的なやり方はよくない。ある程度以上のレベルの大学ならば、国語・英語・地歴の三科目で、おそらく日本史Bか世界史Bの選択ということになる。これは昔も今も不変であるようだ。どちらを選ぶかは好みの問題なのだろうが、僕はどちらかといえば世界史を薦めたい。自分が世界史好きということもあるんだけど、世界史の知識が乏しいと大学に入ってからいろいろ苦労するからだ。

 

さて、中公の「日本の歴史」は全26巻なので、いま読んでいる13冊目でちょうど折り返し点ということだ。12巻が信長・秀吉の天下統一を描いた話で、13巻では関ヶ原の戦、江戸幕府成立といったところ。日本史としてはひとつのクライマックスだろう。このあとは明治維新まで劇的な展開がなく、世界史に比べると読んでいてしんどくなってくる。

中公版は世界史・日本史ともに、決定版を目指したために踏み込みが甘いという声もある。だが、そこが読みやすさと面白さにつながっていることも確かなのだ。高校の世界史・日本史をきっちりやったあと、大学一年でこのシリーズを読めば最高なんだが、僕は当時、歴史を読むことも大学そのものも挫折してしまった。数十年後、まさにあの地点に戻ってやりなおしているわけで、そう考えると感慨もひとしおなのだ。

 

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