自律神経失調症 私の体験

ひとくちに引きこもりと言ってもさまざまな事情があるだろう。体調が悪くて外に出るのが辛い、という人は多いことと思う。まあ僕も基本的にその中に入る。

僕が体調を悪くしたのは大学生の時で、あるとき胃腸が全く働くなくなって、学食で昼食を取るのがきつくなってきた。やがて講義を受けていられなくなった。1時間半の間じっと座っていること自体ができなくなったのだ。

それからとても学校には行けなくなり、出席日数不足で留年することになった。それは仕方がないとしても、いくらかの単位は取らなくてはと思って、這うようにして試験を受けに行った。

すると僕をズル休みと決めつけて目の仇にしている教師に見つかり、「ここはおまえのような馬鹿の来るところではない」と拡声器で怒鳴られて追い出されてしまった。満場の何百人かの学生たちの嘲笑・爆笑が背中に浴びせられた。その時の屈辱感は今でも心にはっきりと残っている。結局、それが決定打となって、以後十年くらいほとんど起き上がることもできなくなった。

 

一番辛かったのは、身体の具合が悪いと言っても誰一人として信用してくれなかったことだ。

僕は何とか回復したいと思って、病院に行って検査を受けたりしたのだが、どこも悪くないと言われて仮病・ズル休み扱いされるばかりだった。親からは叱責を受けつづけ、最後には低脳・出来損ない呼ばわりされる始末。

現在ならば心療内科というものがポピュラーになっているが、その頃は自律神経失調症といっても世間では通用しなかったのである。

 

ようやく少しずつでも起きて出歩けるようになったのは、30歳を過ぎてからのことである。それまでは地獄そのものだったが、そのあともまたひどかった。出歩くといっても百メートルも歩くとひどい吐き気と目まいに襲われて、行くことも帰ることもできずに道端にうずくまってしまう。

それでも、じたばたと動いているうちに、まさに1ミリずつという感じで回復に向かったのは確かである。現在では電車に乗って出かけ、軽く食事を取るくらいはどうにか可能になった。だが車の運転はまだ怖くてできない。少しずつやろうと思ってはいるのだが。

 

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